KINGFISHER

私たちのチーム名“KINGFISHER”は、日本語で「カワセミ」を指します。
「カワセミが獲物を狩る時のように、ドローンでピンポイントにゴール地点に着陸させたい」という思いを込めて
チーム名を名づけました。

メンバー7人で、大学で作業を進めたり、河川敷に飛行試験をしたりなど毎日活動をしています。
メンバーは
物理的にドローンやパラシュート等を作成する構造班
ドローン等をコンピュータから動かすプログラムを作成する制御班
構造と制御をつなげて実際に動かすため、配線を作成する回路班
に分かれ主にその内容を担当し、時にはその垣根を越えて活動しています。

各々のパートに分かれ、私たちの開発内容の一部を紹介します!

ドローン

構造

機体構造は主に3Dプリンタとレーザーカッターを用いて製作しました。機体重量によって飛行時間が大きく変動するので、部品によって密度や材質を変えることで強度を確保しつつ、軽量化を試みました。また飛行試験の効率化のために破損したパーツをすぐに交換できるように工夫しました。

CanSatはその名の通り、既定のサイズの”Can”に収納しなくてはならないので、ドローンのアームを展開、格納できる設計になっています。

回路

回路班はモーターやバッテリー、各機器を繋ぐ配線、プリント基板の作成などドローンの電気に関わる部分を担当しています!
Cansatに使うドローンは重さや大きさの制約が多いため、電池は軽くて容量の大きいリポバッテリー、プロペラを回すモータは小型でも大きな回転数が得られるもの選定しました。

光センサ、測距センサなどの各センサやマイコンといった、必要な電子機器の実装・接続も回路の重要な仕事です。離れた機器同士は、圧着によって作成したコードを配線して繋げます。近くにある機器同士はプリント基板を印刷し、そこに各機器をはんだ付けすることで回路を組みます。プリント基板とは、パソコン上で機器の配線や配置を決め、基板加工機を使って銅板を削って作る基板です。

ドローンの展開、飛行には安定した電気系が不可欠です。細かい作業が多いですが、軽くて小さくかつ信頼性の高い回路を目指し、試行錯誤しながら開発を進めました。

制御

機体の制御にはフライトコントローラーであるPixhawkとコンパニオンコンピューターのraspberry pi zero2Wを用いています。機体の姿勢角推定や姿勢安定化、位置制御などはオープンソースのマルチコプター制御用ファームウェアであるpx4で行っています。そうした内部の制御をしてくれるpixhawkに対して、raspberry piは、どこに行ってほしいのか、いつ飛行を開始するのかを指示する司令塔の役割を果たしています。これによってpx4のみでは実現できない複雑な飛行シーケンスを可能としています。

また、raspberry piは光センサの値を読み取って機体が展開したか否かを検知し飛行開始の命令を送ったり、遠距離無線通信を可能とするLoRAモジュールと接続して現在の機体の位置情報を地上に送信したりといった役割も果たしています。

内部の制御はpx4に任せる形となるためそのブラックボックスの中身を理解することに大変苦しんだほか、確実にパラシュートから分離して飛行を開始するためのアルゴリズムや効率的な試験飛行を実現するためのツール(実機を用いず動作確認をするためのsoftware in the loopシミュレータやSSH接続しながらの開発を効率化するtmux等)の導入などを工夫しました。

ケース

ケースには2つの目的があります
1. 小さく収納したドローンを展開させる
ドローンは4つのアームが折りたたんだ状態で収納されているため、アームを展開させる必要があります。パラシュートが開傘する時の衝撃を利用してケースに取り付けられているかんぬきを抜き、アームが展開する、という方式を取りました。
2. パラシュートと機体を分離させる
パラシュートが機体に接続されたまま飛行すると、パラシュートと機体が絡まってしまうので、機体が飛び立つタイミングで分離させることが必要です。適切なタイミングでギアドモーターをまわし、かんぬきを抜き分離させる、という方式を取りました。「適切なタイミング」は、ロケットから投下された時の明るさの違いを、光センサを用いることで検知して設定しています。分離してドローンが飛び立った直後に衝突しないように、または早く分離をしすぎてドローンが落下することのないように、実験を繰り返して待機時間を適切に設定しました。

パラシュート

ドローンを上空3kmから投下するにあたって、自由落下からの飛行では高リスクであるため、パラシュートの存在は必要不可欠です。
パラシュートの形状は、風を通すことで降下を安定化できるスピルホール型を選択しました。
空中で安定した飛行開始をすること、及び飛行開始したドローンと分離されたケースの衝突を防ぐことを目的として、飛行試験において終端速度の測定をし、サイズ調整を重ねてきました。
また、パラシュート内部に糸を通すことによって100km/hを超える速度で動くロケットから投下される際の開傘衝撃にも耐えられると想定しています。

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